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Gerbera~原作沿い長編~【ハイキュー】

第13章 GW合宿





「なんか出そう。」

『お願い山口くん、そんなこと言わないで。』


到着した合宿所は、少し古ぼけていて周りに街頭も少なく、お世辞にも綺麗な所とは言い難い所だった。
ジジっと音のなっている明かりが、なんだか怖い雰囲気を醸し出している気がする。明かりに群がっている虫が怖い。
やっぱりなんだか今日は背筋が冷えるような気がする。

「わ!!!」

『ひゃ!!····っやめてよ蛍。』

面白がって脅かしてくる蛍をぽかぽかと叩いてみるけれど、全然効果がなくて、ププッと笑っているのが見える。
私がぷくっと頬を膨らませると、蛍は私の頬を突ついた。
プシューという間抜けな音を立てて私の口の中の空気が抜けてしまう。前にもこんなことがあったような。
そんなことを考えながら、蛍に続いて合宿所の中に入る。
以外にも中は明るくて清潔感もある、綺麗な合宿所だった。
あぁ、良かったと不思議な安堵感に包まれながら潔子先輩とキッチンに向かう。
部活後の移動ということで時間は少し遅くなってしまったけれど、これから皆で晩御飯を食べるのだ。

お腹を空かせている皆の為に、潔子先輩や武田先生と一緒に手早くカレーライスとサラダを作る。人数はそんなに多くないとは言え、食べ盛りの男の子達なので作る量はとても多かった。

良い筋肉は良い食事から。
蛍と山口くんは、いつものお昼休憩の時にも薄々思っていたけれど割と少食だ。
驚いたのが日向くんと西谷先輩。体は皆に比べて小柄なのにとってもよく食べる。高校生になっても身長が伸びる人は沢山いるし、これだけ食べるのだからもしかしたらまだまだ伸びていくかも。

そこかしこから聞こえる”おかわり”の声を嬉しい気持ちで聞きながら、私と潔子先輩も晩御飯を終え、明日から始まる合宿での補佐もあるということで、早々に潔子先輩の家に移動することにした。

西谷先輩が「も潔子さんの家!?···っ俺のオアシスが!!」と叫んでいるのを背中で聞きながら、私は潔子先輩に手を引かれるまま合宿所を後にした。



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