第5章 足跡五つ・猫さんが人になりました
いつもと変わらない朝…
…あぁ
変わったといえば馬鹿猫を拾った事だな…
あいつに怒るたびに怒鳴って喉が痛い…
…ん?
でもイライラっつうか……ストレス?は怒鳴ってる事で少しずつスッキリしてるような…?
…まぁどっちにしろ怒鳴り続けてると疲れるぜ…
さっさと起きて馬鹿猫ルナを起こすか…
頭の中でブツブツ独り言を終えた冬獅郎は、目を覚まして体を起こした
冬「…ルナ」
『…』
冬獅郎が名前を呼んでも、ルナは布団の中でゴソゴソ動いているだけ
冬「…はぁぁ…」
朝っぱらから大きなため息をつき
冬「…起きろ!」
バッと勢いよく布団を冬獅郎は取った瞬間
冬「…は…?」
目を疑った
すぐ隣で寝ていた猫のルナの姿はなく、そこには…
『ぅーん…
まだ眠いよー…寒ぃ…』
ぶるっと小さな体を震わす、猫耳と尻尾が生えた少女の姿