第2章 事件
赤いマフラーのお兄さんは気を失った彼女とまだ少しだけ息のあるその両親を見ると...
一緒に来ていた女性に頼んで救急車を呼んだ...
どこか幼い彼女と似ている女性は何かを考えるかの様に救急車を見ているお兄さんと一緒に三人を運んだ救急車を見送ったあと悲しそうな顔をしながらその場を去っていく...
「...またね、◯◯...私の...」
最後に女性の声だけが木霊して空中に消えていった...
...次の日、私は病院で目を覚ましてからの事はよく覚えていない...
とりあえず覚えている事といえば...
両親の葬儀のあと、身寄りのない私は孤児院に入るとそこで数年過ごすことになった....