第3章 むかし
「ちょっとそこのお兄さんっ‼」
女の声が聞こえたと思ったら背中に重みが加わった。
「誰だ…?」
「シーッ…」
赤髪の女は腹に腕を回し、抱きついている。
顔を隠すように顔を背中に押し付ける。
「いたか‼?まだ遠くにはいないはずだ!!!」
「いません‼」
「海軍…?」
「色々あって追われてて…もう少しだけ…」
「だったら左だ‼」
「はっ!!!」
海軍は来た道を戻り別の方向へ走り出した。
「ふーっ、ありがとう‼もう大丈夫。」
「海軍に追われるなんて…海賊かなんかか?」
「おー、あたり‼お兄さんは?見た目からしてタダモノじゃなさそうだけど?」
ニコニコと真意が読み取れないような笑顔を浮かべる女。
「おれも海賊だ。」
「へー、やっぱり!じゃあライバルだね。あたしは。よろしく。」
「…トラファルガー・ロー。」
これが赤髪の女との出会い。