第3章 お嬢様、バイトする
「なら、ちゃんと言って」
「ぅ、あ、……ッッ」
宛がわれたまま、動かない指先。
入ったまま、動いてくれないハイセ自身。
もう何もかも、限界だった。
「だめ、皇」
「や、いやぁっ」
快感を貪ろうと勝手に動く腰さえも動きを制限されて。
苦しさに目の前がくらくらする。
「皇、その顔だけで俺も限界。だから言って。早く楽にして、皇」
「……ッッ」
「皇、気持ちいい?」
「ハイセ……っ」
見上げたままに、ハイセに懇願の表情を向けても。
こんなことで折れる相手じゃないってことくらい知ってる。
「ひぁ……ッッ、ああっ」
さらに両足がぐ、っと持ち上げられれば。
あたる場所が変わってさらに苦しくなっていく。
「……っい、気持ち、ぃ、から、動いて……っ」
限界。
もう、こんなの死んじゃう。
知ってるから。
ハイセの与えてくれる快感を、全部知ってるから。
だから。
「ハイセ……っ」
「………ッッ、皇」
「………っ、ああッッ!!」