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俺の居場所【ノラガミ】

第2章 一戦を越えて


「これはどういうこと!?」
ひよりは掃除用のブラシを片手に、床に正座する、たんこぶだらけの男二人を上から見おろし、罵声を浴びさせた。

時間は数分前に遡る。

ここは壱岐ひよりが通う、中学校の、女子トイレだ。
ひよりは用を済ませ、手洗い場で手を洗っていた所、ゴンッという音がして肩を揺らし、音がなった方を見た。
ーーーーーーーー見てしまったのだ。
最近行方が分からず、ほんの少しばかり心配していた、自称神、端から見たらいつもジャージの五円で色々働いてくれる便利屋、夜トを。
そんな夜トは女子トイレ内のしかも個室の中を上から覗き込むような態勢で、ひよりの目に留まった。
「デリバリゴッ…くぅ…痛ったぁ…」
夜トは毎登場時、言っていた決め台詞を個室の縁の上だからか、どこかに体を強く打ち、決め台詞なのに決まってなかった。
ひよりはわなわなといった様子でジャージ男を見上げ、口を開く。
「あ、やっ夜トっ……」
夜トは声を上げたひよりに気付き、首を動かし、顔をこちらに向けた。
そしてケータイを片手に苦笑いを浮かべた。
「…お久!」

きゃあああああああああああああ!!!!!

校内に女子の甲高い悲鳴が響いた。
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