第2章 男嫌いと女嫌い?(上杉謙信)
信玄「見合い?」
謙信「家臣がどうしてもとな。
うるさいので適当な女を選んだ。
まったく伊勢姫を拒んでおきながら、
今度は姫を娶れなど・・・
つくづく勝手な連中だ」
信玄「奨めてきたのは反対したのとは別だろ?」
謙信「分かっておる。
それでもそんな縁談を結ばなければならぬほど、
俺もこの国も弱くはないというのに・・・」
信玄「弱くないからこそ、
直系のお前の子が欲しいんだろ?
あいつらも・・・」
謙信「む・・・だが今更・・・
伊勢姫以外を俺に愛せというのか?」
信玄「そうは言わないが、
会ってもいない子を、
そう邪険にするのはかわいそうだろ?
その子はお前の事情には関係ないんだ」
謙信「関係ないからこそなのだがな・・・
やはり断るか・・・
まあ会うと一応言った以上は、
会うしかあるまいか・・・」
謙信は心底嫌そうにそう告げる。