【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第58章 未来を見据えて
そんなことが、あったよね。
「でも、確かに......来世でも、私は増長さんに恋をしたいです」
近くに居るなら、家族なのはもったいないかも。
反応がない......?
心配でそちらを見上げた。
「不意打ちすぎるよ......」
その顔は、心なしか赤い気がする。
「風邪ですか?」
近づいて額をぴとっとくっつけると、
壁際に追いつめられた?
「やっぱり寒かったんですか?」
「大丈夫だよ」
「でも......これから症状が出るかもしれません」
あれ?
離してくれない。
「収録は中止だね。あんなことがあったら、再開しないだろうし」
「そうですね。早く帰って温かくしないと......」
「キスしてからでも遅くないと思うんだよね」
「キ、キス!?」
どうして......キス?
「俺はいつでもみょうじさんに触れたい。添い遂げられても、生きてる時間は限られてるから。いつか、年をとって死ぬ時も......ずっと一緒がいいな」
彼の言葉には、こっちが恥ずかしくなる時が沢山ある。
そのまま唇が額に触れた。
「なんだか、熱烈......」
「そうかな?でも、好きだよ」
言い終わると同時に唇を塞がれる。
与えられる口付けは、甘くて優しくて、とろけるほど気持ち良い。
頭や身体だけじゃなくて、心も温かくなって......幸せ。
「ふふっ、もう一回......」
愛しそうに見つめられて、触れられる幸福。
こんな、夢のような日々。
それが、この先ずっと続くのだと
あの時の私は
そう思っていたーー。