第53章 Love trigger

それに応えるように当日は晴天！


「画像チェックが終わったので、撮影は終了です。増長さん、お疲れさまでした！」


スタッフさんのその声に、無事に撮影が終了したのだと安堵の息を吐いた。


「ありがとうございました」

それにしても、あっという間に終わった......すごく良い撮影だったな。
本物の花婿さんと花嫁さんみたいだった。


「いやー、本当に良い写真が撮れましたよ。増長さんが旦那さんだったら最高ですね！」

「本当ですか？正直あまり自信がなかったんです。俺みたいな若輩者がいいのかなって」

「そういう謙虚なところがいいんですよ。ねぇ、みょうじさん？」

「はい、彼はとてもかっこいいのに恐ろしい程に謙虚なんです。そこが、沢山ある魅力の一つかと！」

「ははっ、大絶賛ですね！」

「はい、勿論です！」

あれ、笑われた？


「みょうじさん！？」

増長さんは、なんだか焦ってる。


「その若さでこれだけしっかりしていたら絶対いい旦那さんになりますよ」

「あ、ありがとうございます」

「撮影、本当にお疲れさまでした！」

「お疲れさまでした。今日はありがとうございました！」





「お疲れさまでした。バッチリでしたね。本物の花婿さんと花嫁さんみたいで、とっても素敵でした。スタッフさんの絶賛も当たり前です！」

「あはは、よくあるお世辞だよ。それでも褒めてもらえるのは嬉しいけどね」

「お世辞じゃないですよ！」

「えっ！」

「一緒にお仕事をする中で、増長さんの人柄も伝わったんです！」

「褒めすぎだよ......でも、ありがとう」

「撮影の様子を思い出したら、ニヤけてしまいます」

緩む頬を両手で押さえる。


「とにかく、私は増長さんが自信を持てるように、これからも褒めちぎるので！いや、もちろん本心ですけどね？」

「う、うん」

「自分に自信が持てなくても、増長さんを素敵だと思っている私の目を信じてくださいね？私、何も取り柄はないですが、人を見る目だけはあるので！」

「ふふっ、ありがとう。昨日のチョコレートが成功の秘訣かな？」


そう言うと、彼は笑ってくれた。