【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第53章 Love trigger
後日、彼から相談に乗ってほしいと頼まれた。
予想はつく。
きっと、ブライダルの撮影のことだよね。
「お待たせしました」
事務所のロビーに彼の姿を見つけた。
「ううん、俺も今来たところだから。急に呼び出したりして、ごめんね。どうしても相談したいことがあって......」
「いえ、お役に立てれば良いんですけど......」
相談内容は予想通りだった。
「撮影にどういう気持ちで臨むべきか分からなくて悩んでいるんだ。前にも言ったけど結婚なんて考えたことがないから、気持ちの想像がつかないんだ」
そうだよね。
彼は真面目で完璧主義だから、一つ一つの仕事に真摯に向き合ってる。
「自分が花婿姿になった時、相手の女性にどんな顔を向けたらいいんだろう?」
「お相手が本当の恋人じゃないだけに難しいですよね......」
「結婚ってそんなに良いものなのかな?」
やっぱり、彼の中で結婚はあまり良いイメージじゃないんだよね?
「本当にごめんなさい!送ってもらった日も、今回のお仕事のお話をした時も、私の気持ちを押し付けてしまいましたよね?」
暴走してしまった。
彼の方を向いて、ぺこりと頭を下げた。
「ううん、そんなことないよ」
「結婚が良いんじゃなくて、好きな人となら一緒に居られるだけで奇跡だし、幸せだと思います!」
顔を上げると目が合う。
その表情は想像した通りで、疑問顔だ。
「まぁ、それでいいんですよ。増長さんの中での結婚のイメージは、良くなくていいです!むしろ、悪くて正解!」
その発言に彼は、ぽかんとしている。
「『結婚したくない』って思ってたら、よっぽど好きな人じゃないと結婚しないですよね?そんなに好きになれる人が相手なら、とても幸せな結婚が出来ると思うんです!
きっと、増長さんの全てを受け入れてくれるので、今回はありのままの姿でいいと思います」
「え......」
「外見は勿論、内面も優しくて、包容力があって、謙虚で、努力家。そのままでも良いところをいっぱい持ってますよ。もっと、自信を持ってください!」
勢い余ってその肩をガシッと掴んでしまった。
「あ、ごめんなさい!」
「ふっ」
「えっ?」
「あははっ!」