【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第45章 ひとつの希望
「増長さんってどんな人が好みですか?」
向かいの椅子から話しかけてくる女性。
その人は先程の番組収録で共演していたモデルさんだ。
「どんな人......ですか?」
「はい、見た目とか性格とか!何でもいいので!」
「そうですね......」
頭に浮かぶの勿論彼女で、一言で表すとやっぱり......。
「可愛い人ですかね」
漠然と彼女を表すなら、そう言うのが正しいと思った。
外見は勿論、性格、行動、全てを含めて可愛いと思う。
彼女にもそんなことを聞かれたことがあったな。
日常の所々に彼女の欠片を見つけて、自然と笑顔になる自分がいた。
「性格は?」
「そ、そうですね......日常の中にある幸せを見つけられる人ですかね?」
俺の前で彼女は表情がコロコロ変わるから。
「お二人はなんの話をしてるんですか?」
話しかけてきたのは女性スタッフだった。
「増長さんの好みの女性についてです」
「ああ!確かにどんな女性が好きか気になります。増長さんは理想の旦那様像ですから。」
「そうですよね!」
どうやら盛り上がっているようだけど、俺の好みなんて聞いて......楽しいのかな?
「あ、そういえば......良いものがあるんですよ!」
女性スタッフが笑顔で取り出したのはいくつかの小さな冊子。
「知ってます?これ、地方の可愛い子が載ってるんです。一般の方なんですけど......ここからデビューした女優さんも多いんですよ」
「有名ですよね!」
「そうなんですか、一般の方......?」
なんとなくそちらを見て話を合わせる。
えっ......?
その表紙が目に入って、
ーーガタッ
思わず席を立ってしまった。
「それ、見せてもらって良いですか?」
「は、はい、どうぞ......」
その時の表情はポカンとしていただろう。
「あの、どうかしたんですか?」
「知り合いとかですか?」
やっと、見つけた......。
「いえ、俺この子がタイプです」
そこには、川遊びをしている女の子の姿があった。
「これ、貰ってもいいですか?」
「は、はい......」
「本当に、ありがとうございます!」
「えっ?」
俺は笑顔でその場を立ち去った。