【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第5章 響きあうHarmony
「リハに遅れて来といてステージに文句付けるとかあり得ないだろ。大体アイドルがRAIZINに出ること自体、俺は反対だったんだよ」
なにやら、言いたい放題言われている。
でも、元を辿れば私達のミスで彼らが悪く言われているんだ。
「あの......」
前に出ようとすると、剛士くんに制された。
「Bなんちゃらがどうしたって?」
野目さんの鋭い声に、バンドのメンバーが振り返る。
「何か言いたい事があるなら、聞いてやるよ」
剛士くんも相当苛立っているようだけど、大丈夫かな?
「無い訳じゃないけど」
「ああ?」
「お前らさ推薦枠だからって遅刻してくるわ、ステージに文句付けるわ、そんなんでちゃんとした歌うたえんのか?」
男はやけに挑発的な態度でこちらに近づいて来た。
遅刻は私達の所為だ。
ステージに文句は彼らのことだ、何か理由があったに違いない。
「なんだと?」
「俺たちは与えられた環境で最高のパフォーマンスをしようとしてるだけだ」
「俺には只のわがままに見えたけどな」
その一言に剛士くんの怒りが頂点に達する。
彼は仮面の男の胸ぐらを掴み上げた。
だめ......!
「剛士くん!!」
咄嗟にその背中に抱きついた。
その場はなんとか収まったけど、開始直前にも関わらず天候は嵐。
嵐の中でのコンサートなんて、どうなるんだろう。