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【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第41章 Fake Marriage


それ以前に、こっちは大切な左手の薬指を差し出すのに!


今までその指には指輪をはめたことがない。

初めてはめるのは結婚指輪と決めていたから。

でも、引き受けてしまった。

もう、覚悟を決めるしかない。



あっという間に挙式の時間だ。


薬指......そして、キス。


嘘だから余計に気が重い。

今更だけど、キスって大切だよ。


式場は世界の美しい建物ランキング上位で、とても有名な場所だ。
チャペルが特徴的な形をしており、披露宴はガラス張りの会場。
外にはプール、海、ロケーションは最高。


本当に、大好きな人との結婚式だったらいいのに。

こんなに切ない気持ちになるなんて、本番はちゃんと泣けるようだ。

自分の親にこんなことは頼めないから、私側の親族や友人は真司が用意した偽者だ。

本当にやり過ぎだよ......。


「じゃあ、行ってくる」

先に真司が階段を降りてチャペルに入って行った。


新郎のなにが嫌って......新婦が入場するまで一人で注目を浴びないといけないもんね。

想像しただけで、地獄だよ。


「新婦さんとお父様、そろそろお願いします」

「「はい」」

外階段を降りていくと、大きな扉が開く。


母親にベールダウンをしてもらって、バージンロードを彼の元へと歩いた。

ベールダウンには魔除の意味が。
バージンロードは産まれてから今までの人生、それを彼の元へと歩く。

真司側の両親は本物だ。
相手の方々とも面識があるからだろうけど、一般庶民の私にはめちゃくちゃな話だよ。


彼の隣に並ぶ。

勿論、緊張感はあるし......例の彼女に見られていると思うと変な汗が出るのを感じた。

式は滞りなく進んでいく。

ごめんね、私。

薬指が遂に犠牲になった。


本当にするんだよね......?


「誓いのキス!」

心の中では大絶叫だ。


どうしよう、できるの私!?

他に好きな人が居るのに、他の人とキスなんて......。


ーーガチャッ


その時、背後の扉が突然開いた。


な、何......?
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