【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第16章 キミの心 彩らせて
「カズはさ、なまえの事が好きなの?」
増長にそう尋ねたのはチョッパチャロスを口に含んだ是国。
それは、ホテルでの夜のことだった。
「ごほっ......な、なんで!?」
水を飲んでいた増長は当然驚く。
「だって、カズって分かりやすいから。さっき取り乱してるところを抱きしめてたし、カズは好きじゃないとそんなことしないでしょ?」
「ちょっと待って......俺は竜持から言われて『え、そうなの?』って感じなんだけど......」
「なに、自覚はなかったの?」
是国の指摘に混乱している増長。
それもそのはず、彼は自分自身のことに対してかなり無頓着だ。
「カズ、竜持、何の話してるの?」
北門が笑顔で二人に近づく。
「あ、トモ!今ね......」
「何でもない」
是国の言葉を遮ると増長は慌ててその場を後にした。