【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第14章 胸騒ぎのChristmas Color
「お前ももらっとけ」
剛士くんがそれを、私の口にも入れてくれる。
「ありがとうございます!」
「おうっ!」
最後まで頑張ろう!
今日はライブの素材撮影の日だ。
現場に着くとなにやらトラブルが起きていた。
「メイクさんが......来ていない?」
どういうこと?
言うまでもなくかなり前から手配済みだった。
「すぐに連絡して来ます!」
私は廊下に出るとすぐさま電話をかける。
どういう状況になってるんだろう。
「おはようございます。ガンダーラのみょうじです。今日のメイクなんですが......別の現場?」
その後すぐに電話は切れてしまった。
『もうBプロのメイクは手伝えない』
どういうこと......?
先方が言うには専属だったが先日契約切れになったとのことだけど、今まで長い付き合いがあったはずだ。
それなのに何で突然。
急いでつばさちゃんに事情を話すと二人でほかのメイクさんを当たることになった。
でも......どうしてこんなことになったんだろう。
当日のメイクを受けてくれる人なんて簡単には居ない。
状況は絶望的だ。
途方にくれる私達の前を隣の控え室で仕事を終えたメイクさんが横切る。
「本当にありがとうございます!」
突然の申し出にも関わらず彼女達は私達の申し出を快く引き受けてくれた。
『首の皮一枚つながる』とは正にこのこと。
これから撮影するのは新曲の前に入れる大切なVTRだった。
本当に助かった。