第11章 Take on Me !

「トレビアーン、私が健十を主役に迎えたのは仮面の奥にある本当の優しさと情熱を見たかったからだ」

と監督が言っているそうだ。


「このVTRにはそれが完璧に表れている。是非、本編でも使わせてもらうわ。いいわね？」

「......と申してるわけね。勿論、その映像は使っていただいて構わないですよ。でも、一つだけ条件があります。最近見つけた美味しいフレンチ、お付き合いしていただけませんか？」


見つめる先には、いつもの愛染さん。

彼女も、その誘いを承諾したようだった。


「いつものケンケンが戻ってきた！」

「全然、懲りてねぇな......」

悠太くんと剛士くんも嬉しそうだし、本当に良かった。


その後、皆でラーメンを食べる話になった。


「本当に、私達まで良いんですか？」

「いいよ。つばさにはいつもお世話になってるし、なまえは俺の救世主でしょ？」


「やったー、ありがとうございます！」

「ありがとうございます！」


「ラーメンを食べた後、どこかもう一軒二人でどうかな？勿論、今夜は帰さないけど？」

微笑んで、ギュッと手を握られる。