【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第9章 All Together
「でも、俺の前にはいつもお前がいる......倫毘沙の輝きの前じゃ、俺は霞む。みょうじさんの目にだって、きっとそう映ってる」
その言葉に北門さんが、はっとした。
「そうか、自分の輝きには自分では気づかないのか」
その呟きに、増長さんが顔を上げる。
「カズが俺をそう見てるように、俺にはカズのひた向きさが眩しいよ。真っ直ぐ前へ踏み出そうとする、増長 和南が......」
北門さんの言葉に彼は泣きそうになっていた。私と年は変わらないくらいなのに、皆さんはそれぞれの事情を抱えてここに居るんだ。
「でもなんの奇跡か俺たちはキタコレでもMooNsでも、北門でも、増長でもない。B-PROJECTだ。一人の輝きよりも二人の輝き、十人の輝きの方が遠くに届く。俺、見えたんだ......。
あの時、Bプロの音が世界を照らした。あの輝きなら、歌声ならどんな場所にいるどんな人の胸もノックできると思わない?カズのお母さんの胸だって」
その頭に浮ぶのは『RAIZINフェス』の映像だろう。私の目にもあの光景は強く焼き付いた。
北門さんが増長さんに手を差し出すと、増長さんがその手を借りて彼が立ち上がる。
「うっ......よかった......!」
涙腺は、ついに崩壊した。