第9章 All Together

「ははっ、お母さんみたい」

「言いつけを守ってくれるなら、お母さんで良いです！」


思わずむくれる。
愛染さんは自分の価値を分かってなさすぎる。

この先本当に好きな人が出来て後悔しない行動をしてほしい。


次は増長さん。

「どうして......俺たちに巻き込まれたの？」

「空の曇り具合で波がかなり荒れると思って、危険なのでクルーザを移動するように皆さんに伝えたかったんです！」

「そっかありがとう」

今回は怒られない？

その心は読まれていたようだ。


「巻き込んでしまってごめんね......でも残ってた方が無茶しそうな気がするから」

すごく申し訳なさそうにされるけど、私が勝手にしたことなのに......


「それより、健十に対しての警戒心は？」

ここで、王子様スマイル。

愛染さん......彼には完全にからかわれているみたい。


「あれはからかわれてるだけですから。愛染さんは船の揺れから守ってくれて......命の恩人ですしね」

「ふーん......そうなんだ」


あれ......変な感じ。


次は、剛士くん。

「身体ガクガクされるのトラウマになりそうです」

「お前が警戒心が無いのがそもそもの原因だろうが！」

「うぅっ......ごめんなさい。でも愛染さんは恋愛マスターです！私の警戒心なんて相手になりません」