【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第84章 訪れた変化
「ちょっと俺も出て来ようかな?」
気分転換に散歩でも......。
立ち上がろうとすれば素早くソファーに戻された。
「悠太......どうしたの?」
「ままま、まっすー!僕のちょっとだけ分けてあげるから今は外に出ない方がいいよ!!」
「急になに?」
「ほーら、僕達の部屋においで!」
何か隠してるな。
健十と目が合えばやれやれという様子。
「うん、分かったよ」
後に続くふりをすると素早く踵を返した。
「ま、待って!!」
後ろから悠太の大きな声が聞こえたーー。
悠太が隠したい何か......?
全然見当がつかないけど。
周囲をざっと見回すけど特に気になるものも無くて、そのまま公園に向けて歩き出した。
向かいから歩いて来る人......遠くからでもすぐに分かる。
みょうじさん......。
声をかけようとして、素早くわき道にそれた。
悠太が隠そうとしたのはこれだったのか。
こちらに向かって歩いてくる影は二つ。
でもどうして俺が隠れないといけないんだろう。
堂々としてればいい。
「増長さん?」
俺に気付いた彼女は驚いている。
「お疲れさま」
「お疲れさまです」
今日、みょうじさんはオフだった。
一緒にいる男の人は仕事関係の人?
見たことないけど男らしくて逞しい感じの人だ。
「それじゃ俺はここで」
「ありがとうございました」
「どういたしまして。また楽しみにしてるね」
「はい、お願いします」
爽やかに手を振ると、その人は行ってしまった。
「仕事関係の人?」
「違いますよ」
「そうなの?それならど......何でもない」
結婚を控えててこんな小さなこと......余裕無さすぎだろ。
もしあのことが原因で夜を断られてるとしたら......益々嫌な思いをさせるかもしれない。
「え?」
「今から帰るの?」
「はい......」
「家まで送るよ」
怖い思いをさせたかな?
二人きりで彼女に触れないのはいつぶりだったんだろう。