【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第83章 純愛なんかじゃない
「はい、次」
「明謙くん」
「明謙か......ワイルドな感じとか、剛士みたいな。次は?」
「弥勒くん」
「すっごく優しいフェミニスト。終わり?」
「はい!お疲れさまでした......」
「うん、お疲れさま!可愛い笑顔で、どんな疲れも吹き飛ぶね」
優しく抱きしめられるけど、あれ?
「お、おかしくないですか?私の仕事なのに......」
何、ちゃっかり手伝ってもらってるんだろう?
「いいんだよ。俺達ならすぐに終わったよね?」
「は、はい......」
「みょうじさんが出来ないことや、苦手なことは全部助けてあげる」
いつも通りに素敵な笑顔で甘やかされるけど。
「え?それは、だめかと」
「どうして?」
「いや、私がダメ人間になるかと......」
「いいよ」
いいよ......どうして?
これから妻になろうとしてる人が、ダメ人間になるかもしれないんだよ。
これは、由々しき事態だよ!?
「だって、それなら俺に頼らないと生きていけないし、俺が居ないと生きていけないよね?」
「は、はい......」
いや......例えダメ人間じゃなくても、増長さんが居ないと困るんだけど。
「もっと、俺なしでは生きられなくなってほしいな。簡単に手を離せないように。見えない鎖で......永遠に縛ってあげる」
「し、縛る......?」
先程のこともあって、その単語に過敏になったみたいだ。
「縛られるの......思ったより良かった?」
「よよよ、良くないです!!」
「でも、これで『縛る』で思い出すのは倫毘沙じゃなくて......俺のことだね」
「え?」
「なんでもないよ」
「えっ......何のこ......んっ......」
結局は、甘い口付けで全部誤魔化されました。