【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第78章 今の僕で
「増長さん、これ!」
「おはよう。そんなに慌ててどうしたの?」
「おはようございます......これ、大変なことになってます!」
私は増長さんの前に携帯の画面を突きつけた。
「昨日のプロポーズのこと?」
「はい、ニュースになってる!テレビでも......どうして......?」
昨日のプロポーズのことがSNSで拡散されていたり、テレビでニュースになっているみたい。
増長さんは......焦ってない?
「えっと......あの時変装してなかったから、みょうじさんの元に戻るまでにいろんな人に話しかけられたんだ。
『ついて来てもいいので、知らないふりをしといてくれませんか?それと良ければ広めてくれませんか?』って言ったんだけど......」
えっと、思考が追いつかない。
「これで公認だね?」
「え?」
「それに、祝福の声が多いんだよ。これは、きっとみょうじさんのおかげだね」
再び画面に視線を落とすと『おめでとう』『偶然見れたけど、本当にお似合いだった』『Mimiは握手会で、もっと好きになった。すごく可愛いかった!』『一途な和南くんは今までで一番かっこいい!』
温かい声で溢れていた。
両手を掴まれるとそのまま引き寄せられて、ベッドに二人で倒れ込む。
顔と顔の距離が近い。
「もう引き返せないけど、いい?」
悪戯っぽく笑うと軽くキスをされて、幸せで胸がいっぱいになった。
「もちろん!引き返したりしません」
「よかった......」
嬉しそうなその笑顔はとっても眩しくて、きっと一生忘れられないと思う。
「もう少し眠れますね......」
「本当だね」
「寝坊が心配で、早く起きてしまいました......」
「ふふっ、みょうじさんは朝が苦手だよね?」
あれ?
言ってないのに......。
「気が付きましたか?」
「うん。朝早くから仕事の日は、大抵眠たそうにしてるから」
「ええ?」
無自覚だった......。
自分でも気付かないことを気づかれるなんて。
「俺が起こしてあげるね。おやすみ......」
「ありがとうございます......」
目が合うと微笑まれて額に触れる唇。
そのまま、ゆっくり目を閉じたーー。