【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第76章 成功の秘訣、刻みたい熱
「お姫様、お手をどうぞ。ふふっ、似合ってない?」
王子様とお姫様の衣装を纏った私達。
統一された二つの国のシーンから始まって、それぞれの国の情勢、いろんな人の関わりと共に、敵国同士だった私達の関係が進展していく。
公演日。
私は可笑しいくらいに緊張していた。
増長さんの大きな手。
その手に重ねられた私の手は、きっと震えてる。
「に、似合い過ぎです。かっこ良すぎて、隣に並ぶのが恥ずかしいな......はーふー......」
桜色のドレスに似合わない大きな深呼吸を繰り返す。
優しく見つめてくれる彼の瞳にますます心臓がうるさい。
会場は満員で、言うまでもなく最高の日になると思う。
この舞台が、私が......Mimiとして立つ最後の舞台なんだ。
「ありがとう。緊張してたら可愛い顔が勿体ないよ。どんな顔でも可愛いけどね」
頬をつつかれると、更に顔が熱くなる。
「そ、そういうことを、サラリと言わないでください......」
「ふふっ、本当のことだよ。俺が緊張しない魔法をかけてあげる」
「緊張しない、魔法......?」
「うん、こっちに来て......」
手を引かれると、グッと距離が近づいた。
手のひらに『人』以外にもあるのかな?
増長さんのマントが華麗に翻って、
「ま、ますながさん!?」
「ふふっ、もっと赤くなったね」
今、キスされた!?
「これで、俺のことだけ考えてくれる?続きは本番でしようね」
「えっ!?」
どういうこと?
これだと、ますます緊張しちゃうけど......。
「触れるだけで終わりたくないな......息が出来ないくらいに激しく求めて、思いっきりとろけさせたい......」
耳元で囁かれれば、唇を人差し指でなぞられる。
「も、もう......キャパオーバーですから!」
「ふふっ、それだけ元気があるなら大丈夫だよ。もう、頭の中は俺のことでいっぱいだしね?」
目の前の王子様は、
愉快そうに微笑んだーー。