第27章 俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ…
るな「そんな……カズくんは悪くないよ」
和也「優しいね。るなちゃん。十二指腸潰瘍を患ったんだもん。いっぱい苦しさを訴えて良いのにさ、繰り言言わないで。翔ちゃんの事を気遣って。芳井さんが嫌な思いさせられてないかな? って。他のお年寄りや、介護サービス会社の職員の心配ばかりして」
るな「だって私の為に、皆沢山叱られれたのよ? 翔ちゃんだって事実をねじ曲げられて……」
俺が守ってやる
和也「俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ……」
るな「さっきも言ったね? どういう……意味?」
和也「もちろん俺にも、ずっと優しいのは分かってるの。 けど、るなちゃん誰にでも優しいんだもん 。俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ……って思っちゃうんだもん」
そう言った瞬間、瞳を潤ませたるなちゃん
また泣かせちゃった ……ゴメンね
和也「俺が守ってやるって。その内に、翔ちゃんに好きな人出来そうだな。って感じる様になって。気が付いたらるなちゃん『その優しさ、俺にも分けてよ』って 思う自分がいて。 るなちゃん、今まで沢山泣かせてゴメンね。 気が付くのが遅くてゴメンね…… 俺が守りたいのは、るなちゃん。優しくして欲しいのも、優しくしてあげたいのも、るなちゃんだから」
るな「嘘……」
和也「ホント」
るな「私だって……カズくんを守ってみせるもん! 優しくするから…… 私だけに優しくしてよぉ」
うん。優しく してあげたいって言ったはずなんですけどね……
自分の思いを、ハッキリ言ったと思ったら……また飛んでもない爆弾落としてさ!
るなちゃん! 可愛すぎでしょ!