第10章 それぞれの戦い②~潤~
私は家で仰向けになり、両手を横に開いて 天井をじっと見つめた事がある。私の場合はだんだんと神経が眉間に集まってきてツンという感覚が起きて
とてもじゃないけれどジっとなんて無理だったのを覚えている
余り動き回らない、1日の大半を横になって過ごしている人達に対しては 何十人かを大部屋に布団をひいて……『雑魚寝』という表現が ぴったりな 状態で寝かされていて……プライバシーも何もあったものではない
仕切りが無いからおむつを替える時に 、大勢の人達の中で……大事なところを晒されながらオムツを変えられるという……
初めに就職した所がたまたま、そういう施設であったと信じたい
大多数の施設がその様な事をしていないと言い聞かせて……慣れる事……受け入れる事納得が出来なかった……
私は人への優しさを忘れないよう、その様な人間でいようと固く誓って……
介護の仕事にやりがいはある。お年寄りも大好き! しかし人間関係というものは私にとってどうにもこうにも ……克服し難い難問ばかりの課題であった……