第88章 私は望まれて生まれて来たのですか?
再会の後 リビング
潤side
翔歌「松本くん。月乃さん。翔ちゃんをこれまで……こんなにも優しい女の子に……慈しんで育てて下さってありがとうございました。るなちゃんにも感謝の言葉しかありません」
翔歌……
潤「翔歌……礼なんていいんだ。もう頭を下げなくて良いからな……それより……全く。俺の娘なのに、何で翔とるなはあんなに真っ直ぐ育ったんだろうな? 二人は分かる?」
月乃「私が育てたからに決まっているじゃない……ってのは冗談で。潤にそっくりよ。曲がった事が大嫌いで 嘘付けなくて……私は、何とかなるでしょってタイプだけど……仁さんが潤と同じ真っ直ぐな人だったから。翔ちゃんもるなも真っ直ぐに育ったのかしらね?」
潤「ああ、そうか。仁さんのお陰か……真っ直ぐ過ぎて、二人も時に苦しくなったりしてしまうんだろな」
──
翔『翔歌さん、パパ。一つ確認しても良いですか?』
泣きそうな表情……すがる様な……
潤『いいよ。翔』
翔歌『何でも答えるわ。翔ちゃん』
目を瞑り、胸に両手を当てて大きく深呼吸して
翔『パパ……翔歌さんを今も愛していますか?』
潤『ああ』
翔『翔歌さん……ママ……今もパパを愛していますか?』
翔歌『ええ……』
翔『私は……望まれて生まれて来たのですか?』
両手を……指を絡ませて組んで、目をギュって瞑って……るなも同じポーズ
答えなんかさ……分かるだろ? って思うんだけどね……
潤『赤ちゃんを授かったと聞いた時幸せだったよ……翔は、望まれて生まれて来たんだ……翔と一緒にいてあげなくてゴメンな。愛しているよ』
翔歌『赤ちゃんを授かったと聞いた時幸せだったわ……翔ちゃんは、望まれて生まれて来たの……翔ちゃんと一緒にいてあげたかった……1日足りとも忘れた事等なかった……なんて勝手な事。って思うでしょうね……でも愛しているの』
スーッて、静かに涙を流すと
翔『私は、仁パパに、月乃ママ。潤パパ、翔歌ママに望まれて生まれて来た。愛されて育った……私のパパとママになってくれてありがとう……私もパパ達とママを達愛しています』
るな『ママの娘になれて幸せです。パパの娘になれて幸せでした。潤パパ…… 私のパパになってくれてありがとう。私もパパ達、ママを愛しています』