第1章 理想と現実の乖離
-リモート飲み会中-
雅紀《まさき》『どう? 大《おお》ちゃんライターの仕事は?』
智《さとし》「そういう相葉《あいば》ちゃんは? 理想と現実は違うなって感じ?」
雅紀『俺も……傷付いた人に寄り添いたくてメンタル心理士になったけど……その人の訴えたい事を正しく理解して力になるには……難しいね……』
智「 ほんと難しいよね…… 自分の伝えたい事と、会社の望むモノの乖離が激しくて……』
オイラの名前は
大野智 (おおの.さとし) 23歳 ライター二年目
飲み会の相手は
相葉雅紀 (あいば.まさき)23歳 メンタル心理カウンセラー 二年目
の高校時代からの親友だ
智 「大学でさ、しっかりした文芸表現や、言葉を基礎から学んだら社会を動かす人間になれるんじゃねえかって。編集者、ジャーナリスト。実社会で通用するスキルやノウハウも身に付くだろうしって……考えたんだけどな……」
『大野! こんな堅苦しい記事誰が喜ぶと思ってんだ!』
智「どの記事を選んで読むかは、読者じゃん? 伝え手の都合って根本的に間違っているよね? ゴシップネタで売り上げばっか気にしている会社……理想と現実……あ、ゴメンこんな湿っぽい話。久し振りに一緒に飲んでる時にさ」
雅紀『謝らなくて良いよ。大ちゃん。俺も同じ。今の社会では、いじめや、様々な問題で心に傷を抱えた人が沢山いる。被害に遭った人では無く、加害者に原因があるんだって事を、今迄おざなりにして来たから問題が解決しない……理想と現実がさ……大ちゃん? 逢って欲しい人が居るんだけどさ……』