第4章 スカウト
オファーしたのは、超有名な音楽番組だった。
楽屋には、僕らのグループ名が書かれてあって、メイクしてくれる人が居て……。
本当に夢じゃないんだなって思った。
「YouTubeで流行りの若手ユニット、AMAREです!ご覧下さい!」
イントロが流れ出し、僕は大好きな彼女と共に歌を歌った。
♪こんな日も貴方が好きでした~
奏、君にこの歌を届けよう。
大好きだ、奏。
歌い終わると、壮大な拍手が聞こえた。
それがとても嬉しかった。
『出久……』
「奏……」
ありがとう、君のおかげで僕はここに居る。
「奏、好きだよ」
『もう、出久ったら!』
そんな僕らの会話に大きな歓声がスタジオに響いていた。