第15章 空から落ちてきた天使(9)
翔「お礼とかは大丈夫なので、しっかり養生して下さい」
智「もし何かあったら、遠慮なくこちらに連絡下さい」
母「ありがとうございます…まーくん、いこうか」
空「う?」
雅「空…元気でな」
俺が空に声をかけると、空は顔をキョロキョロとさせていた
そして…
空「ふっ…ふぎゃーーーっ!」
母「えっ!ま、まーくんどうしたの!?」
突然空が大声で泣き出し、お母さんの腕の中で暴れていた
空「やーーーっ!まんまー!」
俺と離れると思って…
雅「…空…」
俺が近付くと、空は俺に向かって一生懸命手を伸ばし
空「まんまー!」
顔を涙でグシャグシャにしていた
雅「空…良かったな、お母さんの側に帰れて…」
空「うー…」
伸ばされた手を俺は握り、そっと頬に手を添えて
雅「俺がお前を拾った時はずっと泣いてばかりで…早くお母さんを探さなきゃって思ってた…でも…少しでも一緒に暮らして…正直このままでも…って…」
ダメだ…泣かないで見送ろうって思ってたのに…
何で俺こんな愚痴を言ってるんだ…
すると俺の横から翔ちゃんがスッと手を差し出し
翔「…すみません…大丈夫ですので…行って下さい」
母「はい…ありがとうございます…」
空「まんまー!」
まだ泣き続ける空を連れて、原口さんは部屋から出ていった
そしてだんだんと空の声が遠ざかっていった…
翔「…お疲れさん…雅紀…」
そう言って翔ちゃんは俺の身体を抱き締めて背中をポンポンと叩いてくれた
雅「…うん…」
空…また会えたら…今度は気兼ねなく思い切り遊ぼうな…