第12章 すれ違いのトキ
ー翔目線ー
え、え、可愛いって言われて無反応?
流された?
うそぉ・・・頑張って言ったんだけどな。
流石翔、かわすのが上手い。
回ったときにふわっと広がった匂いが頭から離れない。
「そんなに可愛くなった?」
「うん、すっごい可愛い」
もう一度言うと翔は照れたように俺を見た。
ヤバい、俺の心臓多分持たない。
よくこんなこと女の子に言ってたのに。
からかってたのに。
いつも女の子に「かわいい」って言うと真っ赤になってその日には告白されるのが通常だった。
それが面白かった。俺はドSってものなんだと思う。
あ、告白のくだり自慢じゃないから。
だけど翔は違う。
翔をドキドキさせるはずなのに俺がドキドキしてる。
―――――やっぱ、俺には翔しかいないと思う。
他の子とは違う気がする。