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stride‼︎

第8章 迷いの先にあるもの


「それにしても、腹減った…。」
日々人がお腹をさする。
「あはは!そうだね。ごはんにしよ。
今日は久しぶりに和食なんだよ!」
「おっ、今日は何?」
「生姜焼きだよー。」
「いいね。ちょっとコート脱いで手洗ってくる。」
「うん。」

日々人を見送ってお味噌汁の鍋とフライパンに火をつける。
油を馴染ませたフライパンに肉を並べると、ジューッとすぐに香ばしい匂いが部屋中に漂う。

「やばい、いい匂い。」
リビングに戻ってきた日々人がキッチンに来る。
「あはは、どんな腹ペコなの。」

日々人がわたしを抱きしめる。
「やっぱりゆめは笑顔が一番だな。」
「あっ危ないよ!日々人!」
「へへ、ごめん。
俺、米と味噌汁入れればいい?」
「うん。お願い。」

肉をひっくり返してから冷蔵庫のサラダを出し、お皿に盛る。
火が通った肉にタレを絡めて一気に仕上げる。

ダイニングテーブルに並べ、2人でいただきますをする。

「行くまで後半年くらい。毎日大事に過ごそうな。」
「うん。そうだね。」

「あっ!日々人、あのね、昨日バーまで迎えにきてくれておんぶで帰ってくれたんだよね。
迷惑かけてごめんね。本当にありがとう。」
「ゆめの酒癖の悪さはもう慣れっこだから大丈夫。」
じと、と日々人が、わたしをにらむ。
「う……。返す言葉もない…。」
手で顔を覆うと日々人が笑う。
「何回でも迎えに行くから大丈夫だよ。」

「…日々人かっこ良すぎる。」
「惚れた?」
「もう、ずっと惚れっぱなしだよ。」

嬉しそうに日々人が笑う。
わたしの大好きな笑顔。

「日々人、大好きだよ。」
「うん。俺も大好き。」

お互いに顔を近づけてキスをする。
こころが温かくなる優しい、優しいキスを。
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