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stride‼︎

第4章 ムッタとヒビトとカイト


「そのランチ行く子ね、アセルって子で、ウルイープカと同じ通りにある靴屋さんで働いてる子なんだよ。
こっちに来て最初に仲良くなった子なの!」

食べながら日々人が相槌をうつ。
日々人の食べ方、好きだな。
モリモリって言葉がぴったりな食べ方。
男の人の食べ方だなぁって、つい見つめてしまう。
それに気がついて日々人が顔を上げる。

「ん?なんか付いてる??」
「ううん。見てただけ。
食べ方好きだなぁって。」
「なんだそりゃ。」
日々人が笑う。
「なんかそんなマジマジ見られると食いにくいじゃん。」
「そっか、そだよね。ゴメンゴメン。
食べよ食べよ!」
「ん。」

食器を片付けて、お互い用意していっしょに家を出て、エレベーターに乗り込む。
「日々人、訓練がんばってね。」
「おう。ゆめはランチ楽しんでね。
また連絡する。」
「う…っ。」
返事しようとすると口をキスで塞がれる。
肩に軽く添えられてた手が背中にまわり、ぎゅっとして頭のてっぺんにもう一度キスをして離れる。
そしたら計ったようにエレベーターのドアが開く。

わたしはいきなりのことに顔が赤くなってしまう。
「そんなことしたら、離れたくなくなっちゃうじゃん。
日々人のバカ…。」
「へへ。だってしたかったんだもん。」
子供みたいな言い方に、年上なのに可愛くて、ギュッと手を繋いで歩き出す。
「バス停まで一緒に行ってい?」
「うん。」

灰色のロシアのいつもの空。
バス停に向かって2人で歩き出す。
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