第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)
★Aキャプテン・アメリカ(洗濯隣人主続き)
「どうぞ、ロジャースさん」
「ありがとう、フリーマン」
街へ出た時に一目惚れして買ったフルーツの紅茶を出すとロジャースさんは爽やかに笑みを深めながらカップを引き寄せた。コーヒーはないんですと断った際にも最上の笑顔で「君の淹れてくれるものならなんだって嬉しいよ」という殺し文句を添えられて目眩がした。くさい台詞をサラリと言うだなんて。しかしそんな台詞もロジャースさんだから様になるし、喜ぶ自分がいる。
「マフィンとザッハトルテ、どちらを召し上がりますか?」
「ザッハトルテってなんだい?」
「オーストリアの伝統的なお菓子です。簡単に言うとケーキに溶かしたチョコレートを満遍なく塗ったお菓子です」
「そうか。ではそれを頂こうかな」
「はい」
六等分の一欠片を小皿に移して差し出せば、彼は豪快なひとくちで頬張った。案の定、口角にチョコレートが付いている。それでも美味しそうにもきゅもきゅと食べる姿が可愛くてつい見つめてしまった。
★gsプリンス・コンスタンティン(デザイナー主続き)
午前のステージが終わると衣装の直しが必要かどうかのチェックを入れていく。控え室に入ってシャワーを浴びたり寛いだりする皆に協力を仰ぐのは忍びないけど嫌な顔ひとつしないでくれるから助かっていた。それどころか「貴方は貴方の仕事をしてるんだから気にしないの!」とレティさんに尻を叩かれたりもして。
最後にコンスタンティンさんに近付くと、彼は頭からタオルを掛けて項垂れながら椅子に座っていた。脚を開いて前傾姿勢で大腿に肘を預ける格好だ。いつも彼はこうして昂った気持ちと身体を鎮めているから衣装チェックは一番最後と決めている。
「コンスタンティンさん、衣装確認しますね」
「…………」
返事はないけど、身体や衣装に触っても跳ね除けられないという事は一応許されたという事だ。脚の間に座り込んで懐に潜り込み、腰巻に手を伸ばして裾のほつれを確認する。傍から見ればちょっと如何わしいけど他意は無い。
「彼もアブノーマルよね。レインくんにああされたいからって」とレティさんが笑い「ここからだと完全にフリーマンが彼に埋まってる」とバーナムさんが笑い「……笑い事ですか、二人とも」とカーライルさんが呆れていた事は全く知らずにいた。
→