第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)
★Aキャプテン・アメリカ(連載主if)
目を擦りながら逞しい背中へおはようと声をかけるとスティーブは太陽のように眩しい笑顔で挨拶を返してくれる。どうやら今からランニングに行くらしくラフな姿で柔軟体操を施していた。
「んむ……ほじょ、する?」
「ねぼすけが補助できるのかい?」
「ねぼすけだと……まだ朝の五時だよ、君が早すぎるんだ」
「はは、そうだね。からかっただけさ」
「ふぁ……」
「随分と眠そうだ。まだ寝ておいで」
「ん、君をお見送りしたらもう一回眠るよ」
立ち上がったスティーブの側まで近付いて告げると、彼は目を見張った後に痺れ薬でも飲んだのかってくらい拳や肩を震わせた。何か言いたげに唇を動かしているけど言葉は頬の内側を転がるばかり。毎朝ひっそりと自宅から抜け出ているくらいだから、もしかしたらお見送りに抵抗があるのかもしれない。
「見送らない方が気が楽なら止めるよ?」
「そんな! レインに見送られて家を出るのが夢だったんだ!」
そこまで。手近な夢だな。スティーブが前のめりに力説する姿がなんだか可愛らしくて吐息を零しながら笑っていたが「いってらっしゃいの……キスをされてみたい」という爆弾を投下された瞬間に真顔になってしまった。
★Aキャプテン・アメリカ
いま、『調査チームによってキャプテン・アメリカの肉体が引き上げられたが残念ながら既に死亡していた』というニュースが世間を騒がせている。それはそうだ、彼はとっくにゴールデンレトリバーに転生しているのだから氷の中に命はない。
「ねぇ、スティーブ。君の身体が引き上げられたそうだよ」
「わふぅ」
「また人間に戻れるなら今がチャンスじゃない?」
「ぐるるる……」
「嫌だ、じゃなくてさぁ。このまま君が俺の飼い犬じゃ不憫だよ……」
「わんっ!」
「うわぁ! こ、こら! マウントとらないで!」
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