第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)
★Aキャプテン・アメリカ
キャプテンが愛おし過ぎて苦しい日々が続く。同性ゆえに踏み出せない一線があるせいで気持ちをにおわす事すら許されない。彼なら好意を寄せられた事実へ嫌悪を抱く前に「ありがとう」といってくれるかもしれない。しかしあくまでそうであって欲しいという希望である内は告白など以ての外だろう。
「レイン……?」
「はい。どうしましたか、キャプテン」
「どうしたは僕の台詞だ!」
とつぜん廊下ですれ違いざま腕を引かれて振り返れば、驚きに満ちた表情のキャプテンが俺の名を呼びながら顔を覗き込んできた。少し荒れた親指で頬の上を擦られてつい片目を瞑ると、キャプテンは更に追及してくる。
「泣いてるじゃないか、なにがあった?」
「泣いて、る……?」
指摘されて自分でも目元を触れば、確かにしっとりと関節が濡れる。彼の前でとんだ失態だと青ざめて慌ててごしごしと擦ると、強い力で止められた。
「やめるんだ、赤くなる」
「……っ、見苦しいところをお見せ致しましたっ……」
握られた手首を取り返すように振り払いキャプテンから距離をとると、彼は悲しそうに笑いながら「見苦しいなんてそんなこと。もし悩みがあるなら僕のことを頼って良いから」と囁いてゆっくりと背を向けた。
去りゆく姿を見届けながらきゅうっと締め付けられる胸に涙の理由があると気づいてしまえば、絶対に彼にだけは頼れないとも気付いてしまって、視界がぼやけた。
★Aアイアンマン
模擬戦闘が終わってスーツの頭部だけを外したトニーさんがアンニュイな表情で俯いていたから労いを込めてタオルを差し出すと、一度も僕を見ずにタオルを引ったくった。まぁいつもの事だと溜め息をついて「コーヒー淹れてお待ちしていますね」と横顔へ囁けば、彼は投げやりに片手を挙げて応えた。
汗に濡れた髪が額を覆っている姿は少しだけ幼いけれど、とてもセクシーだ。プライドの高い彼は決して認めたくない姿だろうけれど。僕は今の姿も好きなのにな。
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