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星条旗のショアライン

第15章 【2019年版】Xmas②(MCU/鷹and邪)



(それもそうだろうな……)
――彼が居る部屋や俺の居る部屋をそのつど便宜的に『隣室』と表現したが、実のところ押し並べてそう断言できなかったりする。それはヘリキャリアが防災用トラス階を横ではなく縦に設計した為……更に詳しく述べれば、部屋と部屋の間でハニカム状の衝撃吸収バリアや防音設備、果ては階を打ち抜いて作られている内部点検用の複雑な足場などの機構を十数メートルにも渡って稼働させている為だ。彼も今の今まで詳細を知らなかった側の人間なのだろう。仄暗い空間で首を巡らせながらキャットウォークの足元灯がびっしりと浮かんで見える光景に息を飲んでいた。
かくいう俺もおしゃべりなエージェントがたまたま漏らしたばかりにそういった空間がある事実を認識していただけで、実際に目の当たりにしたのは今日が初めてだった。今やそれらが歪な円形状に破壊されて部屋同士を繋ぐ一本の隧道のようになってしまっているが、この人類の叡智を独占したような光景は今後も頭から離れないだろう。きっとS.H.I.E.L.D.には俺の知らない秘密がまだまだ隠されているに違いない。
「おい、レインか!?」
「!」
火花が散ってパイプ状の管が派手な音を立てて傾いた瞬間、廃材越しにクリントと目が合った。自惚れかもしれないが、俺を見付けた時の顔の綻びようときたら。擽ったい気持ちに侵されて釣られるように口元をむずむずと震わせていれば、クリントは「無事でよかった、早くこっちに来いよ」と更に笑みを深く噛んだ。

→クリントルート
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→ロキルート
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⚠︎未分岐
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