第1章 １ (裏なし)

１０年前、俺は拠り所がないソフィアを1人置き去りにして、調査兵団に入った。



そして１０年間、会いになんて１度も行かなかった。



｢たまには内地に帰ってきてね｣


その約束も守らないまま。


｢俺はまだ………ソフィアに兄らしいことを何も…………。｣




地面に血まみれのソフィアの右腕が落ちていた。
巨人が食いちぎったのか。

最後の最後まで…
きっとあの腕を、伸ばしていたに違いない｡

俺に向かって伸ばしていたに違いない。

なのに、俺は…