第1章 1 (裏なし)
視界が一瞬暗くなった。
8メートル級の巨人の手の中に、ソフィアがいた。
「ソフィアッ!!!!!!!!」
力の限り叫ぶ。
ソフィアには聞こえなかったのか、こちらを見ない。
「やめて!!!!放して!!」
必死にもがくソフィアを、巨人がおぞましい笑顔で見ている。
「ソフィア!!今行く!!」
あの巨人を早く殺さなくては。
その巨人に向かってアンカーを発射しようと構えたとき、横から別の巨人がやって来た。
危機一髪のところで、掴もうとしてきた手から逃れる。
「邪魔すんじゃねぇよグズ野郎!!」
見ると、もうあの巨人は口を開けている。
でも目の前の巨人をまず殺さなくては俺も死ぬ。
目の前の巨人の目を潰し、そのまま背後に回り込んでうなじの肉を削ぎ落とす。
「お兄ちゃん!!」
そう叫ぶソフィアの声を確かに聞いた。