第1章 1 (裏なし)
―――――その時。
聞いたことがない鐘の音が鳴り響いた。
カンカンカンカンカン…
本能的に不安になる音に思わず息をのむ。
「…………嘘だ。」
呆然とした顔で呟いたのはアルミンだ。
「ちょっ…なにこれ…。
アルミン!?これはなに!?」
「これは―――」
「「「「「逃げろおぉぉぉ!!巨人だぁ!!」」」」」
「「「「「ウォール・ローゼが突破された!!
逃げろおぉぉぉ!!」」」」」
カンカンカンカンカン…
頭が真っ白になる。
家という家から人々が飛び出してくる。
カンカンカンカンカン…
鐘の音と鐘の音の間に…
地鳴りが…
――――巨人の、足音。