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《イケメン戦国》初恋〜運命の赤い糸〜

第10章 〜ありふれた日々〜


家康が捕らわれ怪我を負ってから
三週間ほどが過ぎた。

打撲や打ち身は、ほぼ回復したが
右腕の傷は、傷口は塞がったが
まだ完全ではなかった。

一方、雪姫は後遺症もなく
全ての記憶を取り戻すことができた。
両親や千草、城の皆、故郷を失った
悲しみが消えるわけではなかったが
自分の命が、多くの人の想いに
よって繋がれたことに感謝していた。

何より、家康が未だ色褪せることなく
想いを寄せていた許嫁が自分自身
だったことが嬉しくてならなかった。
家康が好きになる相手は、姿形が
変わってしまおうと、今も昔も
自分だけ。そう言われているようで
幸せでならなかった。

そして、悲しい過去を受け入れ尚
家康の許嫁としての桜奈
として生きて行きたいと信長に
想いを伝え、桜奈の名で
今後は呼んでもらいたいと申し出た。
信長様は、『貴様の思う通りにするがよい』
と認めてくれた。

今日は、気分転換に桜奈と
城下へ散策に出かける予定に
なっていた。
散策と言う名目だが、看病と
わさびのお守りのお礼を
考えていたのだ。

自分の仕度を終え、桜奈を
待っていると
桜奈は、栞から仕立てて
もらったばかりの、薄黄色地に
小花の模様が散りばめられた
着物を着ていた。

『家康様、お待たせ致しました』と
着物が自分に似合っているか
自信ないのか、恥ずかしそうに
している。

普段は、大人っぽい桜奈も
まるで少女のように可愛らしく
見えた。
(/// これ見られるのかよ、誰にも見せたく
ないんだけど///)と内心思っていたが

『その着物、凄く似合ってる』と
言うと、パァッと顔が明るくなり
満面の笑みで『よかった』と
嬉しそうな顔をする桜奈。

(///はっー、やっぱり、誰にも見せたくない
外行くのやめようかな///)と家康は
葛藤していたが

『家康様、参りましょう』と
とっても楽しみと顔に書いて
あるような桜奈の表情に
仕方がないかと、半ば諦めた。

城下町に行くと、案の定
男女問わず道行く人が
振り返る。

桜奈は無自覚のまま
家康と一緒のお出かけが
楽しくて、にこにこ顔を
大盤振る舞いしながら 歩く。
家康も、もうこうなったらと
桜奈との時間を楽しむ
ことにした。
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