第19章 相見える2人のオルニス
4日後、ハートの海賊団一行はリージェット島に到着した。
海軍などから見えない位置に停泊し、いつも通り船番を残して船を降りるが海賊が支配している島とリオから事前に聞いていた一行は船番を数人残した。
またいつでも戦闘に入れるようにと全員気を引き締めていた。
リオはいつも着ているつなぎを脱ぎ、合流した時の袖なしパーカーにハートの海賊団のジョリーロジャーが入ったタンクトップ、ショーパンに黒ブーツを身に着けていた。太ももと腰にホルダーを付けて太ももには小型ナイフ、腰にはパーカーで見えないように海水を入れた水のボトルを数本セットしていた。
「……みんなにお願いがあるの」
歩いていたローを含めた一行にそう声を掛けるとリオは皆の前に立つ。
「もしここの船長に出会ったら…私に戦わせて…師匠の仇を取りたい…!」
リオの言葉にローがフッと笑う。
「当たり前だ。キツければ俺達がサポートする」
ローの言葉にクルー全員がそうだそうだ!と声を上げ、リオはその姿に頭を下げた。
「ありがとう…!」
ハートの海賊団が上陸した後、リージェット島の町の奥にある酒場。
「頭!海賊が上陸してきた!」
酒場に入ってきた見張り役が店の奥にいる男にそう叫ぶ。
「海賊ぅ?どこのモンだ」
ニヤリと笑うその男はルヴトー海賊団船長、アッシュ。
「元王下七武海…トラファルガー・ローです!」
見張り役の言葉にアッシュの隣に座っていたスパローが立ち上がる。
「スパローさん…?」
スパローは見張り役の前に立ち、その人物を見下す。
「そいつの近くに銀髪の女はいなかったか?」
「銀髪…は、はい…トラファルガー・ローの隣を歩いていた女が短い銀髪でしたが…」
その言葉にスパローはニヤリ笑う。
「なんだ、その女がぶっ潰したい奴かスパロー」
「あぁ。俺が潰す、文句ねぇな」
「女は興味ねぇ。トラファルガーの首だけあればな」
スパローはその言葉を聞くと酒場を出ていった。