第15章 訪れた島の平穏と母の面影
それから2日後。
リオは船に調達品を積むクルーを見ていた。
今日、再び故郷を旅立つ。
リオの旅立ちを見送る為、島民のほとんどが港に見送りに来ていた。
「リオ様」
リオが振り返ると女中であった女性が立っていた。
「これを…私達からの贈り物です…」
そう言って差し出したのは光で輝く小さな石が装飾されているネックレス。
「この島の鉱石で出来た物です。持って行ってください」
「ありがとう」
リオはネックレス受け取ると自分の首に着ける。
「貴方の旅路、ご無事を祈っております」
「えぇ、みんなも無理せず頑張ってね。あ、あと…私の事は様付けじゃなくていいわ。せめてさん付けにして」
「わかりました。お気をつけてくださいリオさん」
リオが島民としばらく話していると出航準備が出来たのかベポがリオを呼ぶ。
「じゃあ…いってきます」
リオはそう言い、船に乗り込む。
そして甲板に立ち島民たちを見る。
「出航―!」
ペンギンの声が聞こえ、ポーラタング号は港を離れていく。
島民はリオの名前や礼を言いながら船に向かって手を振り、リオも手を振る。
「ありがとう…!いってきます…!!」
その目からは涙が溢れていて、こぼれる涙を気にせず島が見えなくなるまで手を振り続けた。