第14章 血縁者としてのけじめ
ハートの海賊団一行、島の人達は港に移動していた。
そしてちいさな船に縛ったままの王達3人が乗せられていた。
「まさか島流しとは…なぁ」
島の人が思いついたのはこの島に二度と帰られないように島流しにするという事。
まずリオの能力で島から可能な限り離し、そこからは帆を利用して勝手に海を漂ってもらうという方法。
手足を縛っている上に航海術を持っていない3人、しかも新世界の特殊なログの示し方から計算し簡単には戻れないとリオは考えた。
「さて…最後に聞きたい事があるわ」
リオは父からアクアフィアートを解除し話せるようにする。
「母のお墓はどこ?」
「それを聞いてどうする」
「墓参りするの。私を生んでくれた人だから」
自分が持つ色と同じ色を持っていた母。
16年。この島にいなかったとは言え、自分は母の墓前に手を合わせなかった。
だからこの島に滞在中は母に手を合わせたい。
「……王宮の裏だ」
「そう。ありがとう……じゃあさよなら」
リオはそう言うと船に大きな水の玉をつける。そしてジェットエンジンのように水力で船を動かしていく。
父が何かを叫んでいるが聞こえない。
みるみるうちに船は遠ざかり、15分ほどで見えなくなった。
「……さて、この後のことだけど」
リオは島の人達を見て微笑む。
「レイチェルはもう16年前に死んでます。今いるのは師匠からリオと名付けられた私。この島に王の血を引く者はいません。皆さんで理想の島を作ってください」
リオのその言葉に島の人達は歓声をリオ上げる。
「リオ、良かったな」
「うん、みんなもありがとう」
満面な笑顔でハートの海賊団全員にリオは礼を言った。