第3章 濃厚プリンな夜【N×O】
「智~…そんなこと、あるわけないだろ~?
いつも、智の事ばっかだよ、俺の頭ん中。」
俺は、ゆっくり彼の身体に触れる。
さっきは、威嚇する猫みたいだったから、
それさえできなかったけど。
「………ホント?」
「ホントだって!
もう、開いて見せれないのが
残念なくらいよ?」
…ゆっくり、背中に置いた手を滑らせて、
また少し、彼に近づく。
「明日さ、一緒に休みじゃん。
並んで買おうぜ!
何個買う?」
「ニノが、買ってくれるの?」
「おう!買う買う。
なんならよ、店ごと、買い占めちまうか?」
「フフッ…ダメだよ、そんなの。
他のお客さんが食べれないじゃん…」
…背中の手を前に回して、
俺は、彼の後ろに回り込むことに成功した。
その身体を抱き寄せて、髪をそっと撫でると、
智は力を抜いて俺に寄りかかってきた。
「ニノ…俺ね
何でも半分にしたいんだ。
嬉しいことも、悲しいことも、辛いことも。
ニノと、分け合っていきたい…
この先も、ずっと…」
(…プリンひとつで、語るね…おじさん…)