• テキストサイズ

夜空に煌めく星たちよ【気象系BL】

第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】




「汗がいい匂いな訳、ないし…」
「そんなことないよ。時間が経ってない汗は、いい匂いだよ…例えていうなら、干し草の匂い…っていうか…」
「干し草??」
「そ!お日さまの匂い、っていうのか
…」


お日さまっ…

「…でも…さっき…」

夢だったのかな?
汗のにおいを嗅いだとき、距離感間違えちゃって…それで…

「ニノ、可愛いね…ずっとこうしたいって思ってたんだよ♡」
「…こうしたい…って…翔、さん…」


見つめ合う…

綺麗なキラッキラの瞳に、俺が映ってる。

「…ああ、やっぱ我慢できなくなっちゃった」

(えええええっ!!)

言い終わらないうちに、翔さんの唇が一気に距離を詰め、あっという間に俺のと重なった。


(嘘でしょ!?)


俺……


重なった翔さんの唇は、信じられないくらいに柔らかくて…

熱かった。


ど、ど、どうしよ…

そっと啄むように優しく動いていたそれは、ゆっくり離れ、

「目…閉じるの!」

命令口調で言われた俺は、

「あ、は、はい…」

急いで目をぎゅっと瞑った。


急に来たキスの意味を確認することも、考えることも無いまま…


言われるままに目を閉じると、今度は俺の背中を引き寄せて、口づけた。

押し付けられた唇が、俺の下唇をチューッと吸い、そのまま上唇も同じように吸った。

「…んんっ…」

思わず声が漏れた。

自分の声じゃないみたいな…
甘く、湿った声…


俺、こんな声出すんだ…


痺れたようになった頭の奥で、そんなことを考えていた。

今現在起こっていることが、現実じゃないみたいで…


上手く言葉にできない……
不思議な気持ちだ。


/ 349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp