第3章 裏/ご奉仕します
「という話に、この間の部活中なったの」
「お前、よく恥じらいもなく話せたな?」
「あそこで恥じらってたら別の方向に転びそうだったから」
この間の話を鬼龍くんの家でご飯を作りながら話していた。
土曜の今日はお父さんがお互いに夜帰らないのと、妹ちゃんも友達とお泊まり会ってことで私が鬼龍くんのお家にお泊まりに来ていた。鬼龍くんはお昼まで学院で仕事していたから夕方に合流した。
「まあ、たしかに2人とも育ちが良い分、そっちは疎そうだもんな」
「莉央ちゃんはまだわかってたみたいだけどね」
「梓川はしっかりしてそうだからな」
「私としては莉央ちゃんが彼氏とどこまで進んでるか気になる」
「たしかにな…」
話しながら料理を進めて、あとは焼いて、煮込むだけ。その合間に片付けも済ませていると、いきなり後ろから抱き寄せられた。
「鬼龍くん?」
「あのよ、水瀬」
「なに?」
「ああいう話したってことはどうなるかわかって言ってんだよな?」
「………」
「俺以外の奴にはあんまそういう話するなよ?」
さっきの話ってセックスの話…あ、そうなると、私今日はお口と胸でした方がいいかな? いいのかな? あまり鬼龍くんは私にさせてくれないからやったことないけど…
そんなことを考えていたら鬼龍くんが離れようとするから思わず腕を掴んでしまった。
「水瀬?」
「……したら」
「ん?」
「私がしたら、嬉しい? ご奉仕とかしたことないからあんまり自信ないけど…」
「……っ」
見上げると、鬼龍くんの顔が赤くなってて段々私も恥ずかしくなってきた。やっぱり言わない方が良かったかな…どうしよ…
「水瀬」
掴んでた手を取られて、握られてしまった。
「いいのか?」
「…うん」
「じゃあ、飯の後にすっか…」
「うん…」
そのまま一旦離れてからご飯の用意を済ませて、一緒にご飯を食べたけどそのあとのことが気になって美味しいご飯がなかなか進まなくて大変だった。
ご飯を食べきって、食器の片付けをしてから鬼龍くんの部屋に一緒に入った。
「水瀬、来てくんねぇか?」
「うん」
ベッドに座る鬼龍くんの膝の上に向かい合うようにして乗ると、そのまま鬼龍くんの首に腕を回してキスした。唇を合わせたまま感触を楽しんでいたら鬼龍くんから舌を入れられて、絡ませた。