第48章 〝年明けパーティ〟の案内
「うん!!!てか、お客さん、ギター弾けるの?じゃあ、今度、元日に〝年明けパーティ〟ってのをやるんだけど、大事なモノなのに
悪いけど、もし、その日、仕事が休みなら、そのアコースティックギター、ウチで弾いてくれねぇか?エレキギターはさすがに
使える環境じゃないけど」
「え?はい。僕は良いですけど・・・」
「そうか!!!休みなんだな!!!ありがとな!!!」
「いえいえ。でも、個人経営のお店なのに、元日も開店するんですか?あと喫茶店で大きな音を出して大丈夫ですか?」
「うん。まぁ、元日にどっかに遊びに行って、ウチに寄る人も
多いんでね。それに、毎年、〝年明けパーティ〟をする時は、
〝今日はパーティなので、ライブをします。その音が苦手な人は、テイクアウトするか、また後日お越しください〟って看板を
店の前の看板の横に置くし、ウチの店の壁、映画館の壁みてぇに
大きな音も良く吸収するようになってるから、
あんま近所迷惑の事、考えなくて良いし」
「そうなんですね(笑)」
「ああ、掃除や手入れも、いつもしっかりやってるし、
小さな店で、別にゴージャスでも何でもねぇけど、さっき話した
ように、俺は、昔からギャンブル好きだけど、あの話のあと、
色々競馬の事とか勉強して、それが自分でも驚くくらい良く当たるようになったからな。定期的に工事してるから、
防音加工と頑丈さだけはあるぜ!!!」
「へ~!!!それは凄いですね!!!」
「だろ~?!」
「はい!!!〝年明けパーティ〟、とても楽しみです!!!」
「おう!!!サンキューな!!!」
その後、霧河はお勘定し、
「ごちそうさま」と言って、店を出ようとした。
だが・・・・・・
「あ~、そういえば、聞き忘れてたんですけど、このお店、
窓河さんが継ぐ前は、一体、なんてお名前だったんですか?」
「あ、あ~・・・そういや、それは、俺も覚えてねぇや(笑)。
ずっと昔の事だし、年のせいもある。悪いな」
「そうですか」
〝バタン〟