第3章 僕とデートして下さい
「お嬢様」
「何よ」
「お嬢様にかかるエステ代、年間いくらかご存知ですか?」
「知らないわ」
「お嬢様がお召しになっているその高価な洋服、1着いくらかご存知ですか?」
「だから、知らないわ。勝手にクローゼットに増えていくもの」
「ええ、僕が定期的に交換していますから」
「…………は?」
「ちなみに月に2回ほどされているエステも、僕が定期的にお嬢様のお肌をチェックして、お呼びしています」
「…………冗談でしょ」
「いいえ、事実でございます」
「チェックって、どーやって」
「もちろん、お嬢様のお肌に直接触れてチェックしております」
「……いつよ」
「毎晩、でございます」
「……………ウソでしょ」
「クローゼットに増えていくそのお召しものも、全て僕の独断と偏見で、この10年選ばせて頂きました」
「…………ウソでしょ」