第2章 ダンスのお時間です
や、だ。
こんなに色気、漏れてたっけ。
なんでハイセがやると体が熱くなるの。
「来月のパーティーは、誰と行かれるのですか?」
「え」
突然の突拍子もないハイセの問いに、一瞬思考が迷子。
違うわ。
全然、見惚れていたわけではないんだから。
「…………まだ、決めてないけど」
「そうですか」
「ハイセ?」
「お嬢様」
「な、なに、よ」
急に変わった声色と、1歩下がって恭しく頭を下げる執事のような態度に、思わずたじろぐ。
いえ、そう、彼は執事なんだから、当たり前なんだけれども。
「そろそろ、お体を冷やすといけませんので、お部屋の方へお戻り頂けますか」
「は、…………っ、え?」
「なにか?」
「いいえ!そうね、戻ろうかしら」
「…………」
なによ。
なによ。
急に態度変えちゃって。
あんなキス、しといてなんなの。
なんなのよ、もう!