第11章 番外編 ヘレナおばさん
(( 親愛なるユカへ
この手紙を読んでいるということは、
私の身に何かあったのでしょうね。
ユカ。
まず、落ち着いて。
これから、貴方が生きていく上で、
必要なことを話します。
お金は少しばかりだけど、貯えがあるの。
大事に使いなさい。
食料は、畑の野菜があるから、ちゃんと育てて食べるのよ。
麦もあるから、パンを作ってね。
魚と肉は、街へ買いに行くといいわ。
薬は、これまで薬草について、教えてきたから大丈夫だと思うけど、
今まで通り、本でよく確認よ。
あと、戸籍のことだけど、
実は、仮の戸籍を作ってあるの。
でも、何度も使えない。
ここぞという時だけ、使用しなさいね。
細かいことばかり、書いたけど、
ユカなら、きっと大丈夫。
草や木々、風が味方してくれる。
よく、耳を傾けて。声を聞くの。
きっと、貴方の力になってくれるから。
独り身で、子供もいない私に、
天使のようなユカが家に来た時、
本当に嬉しかったわ。
貴方の未来は、いつでも見守っていますよ。
自分の運命を恨まないで。
必ず、報われるから。
そして、愛する人を作って、幸せになるのよ。
貴方は、最高の娘だったわ。
ありがとう。』