第23章 奪還作戦
『そろそろ行くね。』
ユカが寂しそうにこちらを見る。
『ああ、寂しくて、泣いたりするな。』
『私より、リヴァイの方が、よっぽど悲しい顔してる。』
、、、
強い意志で蓋をしたはずなのに、
不安な気持ちが漏れ出てしまう。
、、、
『そうか。』
ごまかすのがやっとだった。
、、、
『生きて。』
耳では聞こえたのに、頭に言葉が入ってこない。
何も反応できずにいた。
ユカは、言葉を続ける。
『生きて。帰ってきて。』
、、、
ユカの切な願いが、
やっと絞り出して言った声で聞こえてきた。
ユカの遠くを見るような、
真っ直ぐな瞳は、
死ぬことなんて、
選択肢に考えさえも入れてはいけないと思わせる。
そうだ。
ユカを残して死ぬなんて、まず選択肢になんかない。